また、金津高校美術部の生徒と共同で、街なかにある浮き文字や銅像を石膏で型どりするそう。それを持って、展覧会のオープニングでは、これまた石膏で型どられた大きな白い手に向かって投げつけるとか。投げ入れるのではなく、思いっきり投げつける。当然、石膏同士がぶつかって粉々に割れます。
「投げるってことはどういうことだと思う? 暴力的か、神聖的か。“願う気持ち”と“忘れたい気持ち”が混じっていることを、感じてほしい」と西さんは穏やかに話します。これまでに、二宮金次郎やミサイル、橋の欄干などを石膏取りしたものを投げつけたそうです。
西さんとの話は尽きることがありません。時間、哲学、歴史、世俗、スケール、素材……久しぶりに思索的なふかーい話を聞くことができて、なにかと自分を振り返った私でした。
text:サイトウリコ |
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|『DEATH
MATCH』(参考図版)。石膏で作られた巨大な手がクズクズになっちゃいました
『DEATH MATCH−Trench of Sprit』1996年 神奈川県民ホールギャラリー/撮影:Light
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