ラジオDJのように、音声ファイルをバックにZoomで話せるようにしたい!と思い立ち、二つの方法を試してみました。一つはZoomの共有機能を使うやり方、もう一つはソフトウエアミキサーと組み合わせてサウンド周りの環境をセットアップするやり方です。
同様のニーズをお持ちの方の参考になればと思い、当方の設定を紹介します。
①Zoomの共有機能を使う
追加アプリなしでお手軽にできるやり方です。
「共有するウインドウまたはアプリケーションの選択」画面で[詳細]タブをクックし、「コンピューターサウンドのみ」を選んで[共有]をクリックします。
これで、再生中の音声ファイルとマイクからの音声がミックスされてZoomに渡ります。
難点は共有機能を占有してしまうこと。BGMが流れている状態でほかの参加者が画面共有を使いたくても、「他の参加者が共有中は、画面共有を開始できません」というメッセージが出てはじかれてしまいます。
そこで、画面共有に頼らないもう一つの方法です。
②ソフトウエアミキサーを使う
Windows 10環境でのセッティングなのでその点ご容赦ください。
アプリの構成
- Zoom
- ソフトウエアミキサー Voicemeeter Banana(ドネーションウエア)
Voicemeeter Bananaのインストール
Voicemeeter Bananaの公式サイト(英語)にアクセスし、EXEファイルまたはZIPファイルをダウンロードします。特に理由がなければEXEファイルでよいでしょう。
ダウンロードしたらアイコンをダブルクリック。
インストーラーが立ち上がるので[Install]をクリックしてインストール作業を進めます。
「YOU MUST REBOOT」と表示されたら[OK]をクリックしてPCを再起動。
スタートメニューの中に『Voicemeeter Banana』が見えたら左クリックします。
機能を絞り込んだ『Voicemeeter』も一緒にインストールされますが、Zoomとの連携がうまくいかないので、必ず『Voicemeeter Banana』を選択します。
Windowsとアプリの設定
Windows
Voicemeeter BananaインストールしたのちPCを再起動すると、再生デバイスに
- VoiceMeeter Input
- VoiceMeeter Aux Input
が追加されるので、「VoiceMeeter Input」を選びます。
選んだと同時に
- PCにつないだヘッドホン・イヤホン、スピーカーなどから音が出なくなる
- 音声ファイルを再生していたアプリが異常終了する
などの現象が起きることがありますが、異常ではないのでご安心を。
Voicemeeter Banana
マイク入力
左上の「HARDWARE INPUT 1」を右クリックし、入力デバイス(マイク)を選択。同じデバイス名で複数の選択肢があるときはWDMを選んでおけばよいでしょう。
モニタリングする再生デバイス
右上の「A1」を右クリックし、モニタリングに使いたい再生デバイス(下図の場合はヘッドホン)を選択します。マイク入力同様、同じデバイス名で複数の選択肢があるときはWDMでかまいません。
入力 / 出力のルーティング(経路設定)
マイクと音声ファイルのチャンネル(赤枠)を「A1」と「B1」、Zoomのスピーカー出力(=一緒にミーティングする人の話し声)のチャンネル(ピンク枠)を「A1」に設定。
- マイクと音声ファイルの音 …
ミックスした状態でZoomに渡され(B1)、かつヘッドホンでも聞こえる(A1) - Zoomのスピーカー出力 …
ヘッドホンで聞こえるのみ(A1)
という経路ができあがります。
Zoom
右上の歯車アイコンを左クリックし、環境設定画面へ入ります。
「オーディオ」メニューを左クリックし
- スピーカー … VoiceMeeter Aux Input
- マイク … VoiceMeeter Output
を選択。下記について正常に動作すれば設定完了です。
- [スピーカーのテスト]をクリックするとテスト音が聞こえる
- 「マイク」欄の「入力レベル」が反応している
なお、Voicemeeter BananaとZoomを同時起動している時は、Voicemeeter Banana側ですべての音量調整をすることになります。
- Zoomの入出力にかかる箇所 … 0dB固定
(上図の「VIRTUAL INPUTS – Voicemeeter AUX」、「MASTER SECTION – B1」) - マイク入力(同「HARDWARE INPUT 1) … 適宜
- 音声ファイル入力(同「VIRTUAL INPUTS – Voicemeeter VAIO」) … 適宜
- ヘッドホンレベル(同「MASTER SECTION – A1」) … 適宜
というふうに調整し、他のチャンネルはトラブル防止のため[Mute]をクリックしておくとよいでしょう。