音楽イベント配信時のマイクセッティングのコツ - ウェブ配信講座最終回レポ

福井市文化振興課さまのご依頼で全4回のプログラムを展開していたウェブ配信講座。2021年1月17日、ハピリンホール(福井市中央1)での中級編をもって全4回の講座を終了しました。

最終回は音楽や演劇などの舞台芸術のウェブ配信がテーマ。会場でのリアル受講+YouTube Liveによるオンライン受講で行い、3時間の講座を

  • 講義 … 今なぜウェブ配信なの?
  • 実習 … 機材セッティングの例
  • トークセッション
  • 座談会 … 配信のお悩みを共有しよう

という4つのパートに分けて、参加者のみなさんに頭と体を動かして楽しんでいただけるような構成としました。

トークセッションでは、福井を拠点に活動する音楽プロデューサーの久保顕理さんと、同ホールの技術スタッフである古川智伯さんがゲストとして登壇。久保さんらが同ホールで月イチ開催しているライブイベント『hometown live』のウェブ配信事例を振り返りながら、配信時の留意点などを紹介いただきました。お二方ともトークが流暢で、進行役(森川)も楽しみながら拝聴できました。

個人的に興味をそそられたのは、音楽イベント配信時のマイクセッティングの話でした。ドラマーとしても活動する久保さんは、演者側の立場から「PAアウトの2チャンネルを配信するのが一般的だが、そのセッティングだと演奏する場の空気感が伝わらない。演奏のアラも目立ってしまう」と指摘。有観客・無観客問わず客席の位置にもマイクを立て、PAアウトとミックスして配信すると音に厚みが増すとアドバイスしてくださいました。

ただその場合、客席側の音声をカメラで集音するなどデジタル処理が加わると、PAアウトとの時差が生じる場合もあるとのこと。配信ソフトでディレイを設定し聴感上不自然にならないような工夫も必要というマニアックな話もありました。

古川さんによると、2020年春以来、コロナ禍におけるホール運営の方向性を模索しながら配信機材を整えてきたとのこと。高速ネット回線、マルチカメラ、スイッチャーなどウェブ配信に対応した機材がそろっているので、興味のある方はぜひお問い合わせください。