WordCamp Japan 2021 はテレワーク実践の場でした #wcjpn21

2021年6月20日~26日、全プログラムをオンラインで行ったWordPressのお祭り『WordCamp Japan 2021(以下、WCJPN21)』に実行委員として参加しました。WordCampへの参加は、2019年の『WordCamp Tokyo 2019』以来です。

日本国内でのWordCampは、今回が通算30回目。私のデビューは2回目の『WordCamp Tokyo 2009』と早い方ではあるのですが、実行委員会の立ち上げ当初から運営に関わったのは実は今回が初めてでした(トークセッションのモデレーター、スピーカー、当日スタッフとして参加したことはあった)。

実行委員にエントリーしたのには、二つの動機がありました。一つは、本サイトのブログ記事「WordCamp Japan 2021 オンライン発表会の進行役を担当しました #wcjpn21」にも記した通り、「この15年、弊社の営業活動を陰日向で支えてくれているWordPressへの恩返しに」という気持ち。

もう一つは、地域の垣根を越えたオンライン開催で、地方都市にいながら実行委員になれる機会に恵まれたということ。大都市での開催が主となるオフラインでのWordCampだと、なかなかこうはいきません。

いち参加者としてWordPressの最新動向を知ることができ、かつ、離れた場所に住むメンバー同士で一つのプロジェクトを進めることができるという点に魅力を感じ、2020年11月18日、エントリーフォームをポチッとしたというわけです。

エントリーフォームには担当できそうな業務の候補が示され、「自分の仕事を生かせるのでは」ということで第一希望に広報班を選択。希望が通り広報班に配属され、Zoomでの広報班キックオフミーティングで班長という大役を仰せつかりました。

とはいうものの、実行委員は約70人の大所帯、広報班だけでも9人という編成で、「初めての実行委員だというのに、この先半年、大がかりなプロジェクトを引っ張っていけるのだろうか…」と戸惑ったのは正直なところです。そんな中で届いたのが、副実行委員長・高野直子さんからのDM。高野さんの励ましに背中を押され、「よし、腹をくくって完走しよう」と気持ちを固めるに至りました。

実行委員は全国に散らばり、私のように地方都市から参加している人たちも少なくありません。したがって、プロジェクトはオンラインツールを使って進んでいきます。

プロジェクトで使ったツールを少し紹介しますと…

  • Slack
    実行委員全員や班ごとのチャンネルをつくり、業務連絡などを共有。フロー情報が主なので、ストックが要求される情報についてはBacklogなど後述のツールを併用。
  • Backlog
    公式サイトに掲載する記事作成など、タスクの進行を共有。Slackでは流れてしまうストック情報(例:班のメンバー表)などをWikiに記載するという使い方も。
  • Googleドライブ
    全体・各班ミーティングの議事録、記事原稿の作成・推敲、一覧性が必要とされるストック情報(例:イベント当日の担当表)などの共有に使用。
  • P2
    WordPress.com上に設けたコラボレーションツール。主に、全体・各班で行ったミーティングの議事録サマリーを共有するために使用。
  • Figma
    デザインカンプやグラフィック素材の作成・共有などに使用。当初はデザイン班が主に使っていたようですが、広報班も記事のアイキャッチ画像作成ツールとして活用していました。

社内連絡はチャットワーク、Backlogは案件によって制作パートナーさんと一緒にときどき使うくらい、という私。少人数でプロジェクトを進めることが多い私にとって、普段使わないコラボレーションツールを駆使したWCJPN21の準備作業は、実に刺激に満ちあふれていた場でした。

ツールの使いこなしを学ぶことと並行して、私はもう一つ、自分なりのテーマを持ってWCJPN21プロジェクトに臨みました。それは、スムーズなテキスト(書き言葉)コミュニケーションの手法をいかに磨くか、というテーマです。

弊社は福井県福井市にオフィスがあり、業務上のコミュニケーションの大半はリアルな空間で展開します。したがって、用件は口頭で片付く場面がほとんど。記録のためにチャットワークを使っているとはいえ、いわゆる5W1Hをおさえていない指示・依頼が飛ぶこともしばしばです。口頭での補足を前提とした「『書かなくてもわかるだろう』の文化」とでも申しましょうか。

でも、昨年来のコロナ禍を機にテレワーク(リモートワーク)の流れが加速していく中で、テキストコミュニケーションの在り方をアップデートするのは喫緊の課題でした。弊社でも東京在住のサポートメンバーとのやりとりが日常化するなどの背景から、「『書かなくてもわかるだろう』の文化」からの脱却&浸透を進める必要があったのです。

WCJPN21実行委員のメンバーには、コロナ禍のずっと前からテレワークを実践している企業に属する方も多数いらっしゃいました。そうした方たちと一緒にチームを組むことで、ノンバーバルコミュニケーションの見える化、タスクの立て方の粒度、相手を気遣う進捗確認の手法など、多くの学びを得ることができました。この学びを今後の社内運営にも生かしていくつもりです。

私にとって、まさに「テレワーク実践の場」となったWCJPN21プロジェクト。たまたまですが、現在在籍している通信制大学の「情報社会と職業」のレポートでテレワークに関する課題があり、WCJPN21での体験を盛り込めたことも付け加えておきます。おかげさまでレポート執筆もはかどりました。WCJPN21に関わったすべてのみなさん、本当にありがとうございました。