レオ社長です。ども!
かねてお知らせしていたカウベル牧場第2回『Creative Commons プチ勉強会』。先週土曜日(2010年4月24日)に無事終了しました。会場にお越しくださったみなさん、Ustream+Twitterで参加してくださったみなさん、そして告知・取材に協力してくださった媒体関係のみなさんにこの場を借りてお礼申し上げます。
ところが、例に漏れず(?)今回も記録写真をまったく撮っていなかったことが判明……orz しょうがないので、今日の画像はクリエイティブ・コモンズのマークでお茶を濁します。
その上、同時録画していたはずの中継がUstreamのサイトで観られない事態が発生中(2010年4月25日現在)。 バッファリング表示のまま先に進みません。Ustream側でのエンコーディングに問題があるのか、こちらの設定に手落ちがあったのか定かではありませんが、次回はUstreamを過信せず(なにせ無料なので文句は言えない)
- ビデオカメラでのバックアップ
- ICレコーダーでのバックアップ
を同時に行なうことにしました。まあ、勉強会中はけっこう際どいやりとりもあったので、録画が観れないという状況が不幸中の幸いといえなくもないのですが(笑)。
なお、そのあたりのヤヴァい発言をチョキチョキした(?)模様を福井ケーブルテレビさんの『熱烈BOOOMERZ』で紹介いただくことになりました。
- 5/16(日) 24:30
- 5/17(月) 12:30,23:00
- 5/18(火) 9:30,20:00
以降、5/31(月)まで毎日ほぼ2回ずつ放送予定とのことです。ありがとうOKMさん!
ということでひとまず、第2回のまとめ記事として
- 当日のスライド
- Twitterのライムライン
- 前半(プレゼン)の発言要旨
- 後半(フリーセッション)でのやりとり
- 著作権譲渡契約書テンプレート
をアップしておくことにいたします。
スライド
いつものとおりSlideshareにアップしました。スライドのライセンスは クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-継承 2.1 日本 です。
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Twitterのタイムライン
ご参加のみなさんに #crvol2 というハッシュタグでツイートしていただきました。
http://hashtagsjp.appspot.com/tweets/crvol2
(2010年4月25日現在完全に解析できていないようです Twitterの公式サイトから #crvol2 を検索した方が確実かも)
発言要旨
- テーマは「元データ頂戴」という、クライアントや代理店からのリクエストに、制作者としてどう応えるか。その処方箋の一つとしてCreative Commons(以下CC)ライセンスを提案したい
- 著作物とは次の要件を満たしているもの――▽考えや感情を表現したもの▽容態としては、小説・脚本・音楽・絵画・版画・建築・図面・映画・写真・プログラムなど〔著作権法第十条1〕▽形に残らない事実の伝達(例:「お母さん、今日の晩ごはんカレーにしてね!」という伝言など)は著作物にあたらない〔同法第十条2〕
- 著作物には著作権が自動的に発生する〔同法第十七条2〕
- 著作権とは、▽複製▽上演・演奏▽放送やネットでの送信▽レンタル――といったことを著作者以外の第三者が行ないたいとき、それを許諾するか否かの〈決定権〉と考えていい
- 著作権の扱いについて、▽第三者が使うときは著作権者の許諾が必要▽著作権者の同意があるときは譲渡できる▽著作者と著作権者は別の存在である――ということをおさえておく必要がある
- 「元データ頂戴」と言われたら、▽(できれば)譲渡期間を決める▽行使できる区画(=地域や媒体)を決める▽胸を張って対価を設定する――といったことを記した契約書を交わすべき
- ウェブの制作に関わる人には、著作権表記(フッタによく入れるアレ)を機械的にクライアント名にしないよう注意を促したい。クライアント名を記した時点で、「著作権を自ら相手方に渡した」と表明することになってしまう。納品後にデザインをぐちゃぐちゃにされても文句は言えない
- ある著作物について、複数人(個人・法人)が著作権をシェアしている場合もある。複数の企業名がクレジットされている『ポケモン』はその一例。そうした著作物を利用したい場合は、シェアしている人すべての許諾を得ないといけない
- 著作物を利用する場合は〈許諾〉という作業が本来発生する。著作物の流通量が増えてくると、著作権者と利用者、双方にとって面倒な手続きになるのではないか?……という発想から生まれたのがCCである
- CCは法律ではない。著作権は保持しつつ、許諾という作業から著作権者と利用者を解放しようという〈著作権の運用ルール〉である。そのルールは著作権者主導で決めることができる
- CCライセンスは、「表示」(いちばん緩やかなルール)から「表示・非営利・継承」(いちばん厳しいルール)までの6通り。「元データ頂戴」と言われたら、CCライセンスをうまく利用して大人の対応をしては
- 福井県内の制作現場の実情でいえば、ある日突然「契約書云々~」という主張は通しづらい。また対価も設定しづらい。「表示-改変禁止」「表示-非営利-改変禁止」といったCCライセンスの導入から始めれば、契約書導入へとソフトランディングさせることができると思う
- 一方で、CCライセンスの素材を自身の作品に導入すると、作品づくりにも幅が出る。画像なら、FlickrやGoogle画像検索、フォト蔵、音楽ならFree-Loops.comあたりが代表的。例えばGoogle画像検索の場合、画像検索オプションの「ライセンス」欄のプルダウンメニューを活用する
- 自身の著作権を守る第一歩は、自身が作るいかなるもの――それが原稿の下書きやラフスケッチであっても――に©マークと日付、署名を入れること
- 「情報の対価は情報」という考えを持ってほしい。CCライセンスの素材で作品を作ったのなら、自分の持っている写真やイラストもできる範囲でCCライセンスで公開していく。陳腐な言い方だけど「ギヴ・アンド・テイク」の考え方がCCライセンスを使う上では大切だと思う
フリーセッションでのやりとり
Twitterでの参加者からも感想や意見、提案をいただきました。
- 「元データ頂戴」に関するやりとりで、皆、いろんな失敗をしているはず。そうした失敗の事例集を作ってはどうか。失敗集だけでも十分な資料になると思う
- 団体として、弁護士や弁理士との関わりがあるといい。FUCA(福井クリエイターズ・アソシエーション)がその機能を果たせるといい
- たとえばFUCAとして契約書のひな形を作っては。ポイントを箇条書きしたはがきサイズの契約書があってもいい
- 付き合いの長い相手ほど、「元データ頂戴」に対して断ったり、対価を要求したりということがやりづらい
- 相手方に渡す元データのCD-ROMに著作者名や配布条件を記入する、という小さいところから始めたい。でも「宅ふぁいる便で頂戴」と言われるときも(笑)
- 細かい字で書かれた契約書(例:生命保険)と違い、わたしたちが作る契約書は相手に確実に読んでいただかないといけないもの。「契約書をデザインする」という考えも取り入れないといけないと思う
著作権譲渡契約書テンプレート
フリーセッションの中で出てきた著作権譲渡契約書について、自由にお使いいただけるテンプレートファイル(OpenDocument形式)をアップしました。ライセンスはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.1 日本です。
テンプレートはIPAフォント(IPA P明朝)で最適化していますので、ご使用の際はIPAフォントのインストールをおすすめします。
ということで、録画どうなった?の反省が大きかった今回のカウベル牧場。送り出し環境を見直して次回に繋げたいと考えていますので、これからもよろしくお付き合いくださいませ。