福井県立足羽高等学校『授業力向上研修会』の講師を務めました

2022年12月1日、福井県立足羽高等学校(福井県福井市)で行われた『授業力向上研修会 ICT活用講習』で講師を務めました。お声かけくださった足羽高等学校のご担当者さま、当日、ご多忙の中をお集まりいただいた教職員のみなさまに御礼申し上げます。

当日は「仁愛女子短期大学 非常勤講師」という肩書で登壇し、約15分の講義と約30分の実習(Googleフォームを使った小テストの作成)を組み合わせて展開しました。

研修会に先立ち教職員のみなさまからアンケートや質問を集め、講義はそれに応える形で進めていきました。寄せられた質問の一部と私からの回答を紹介しますと…

  • 著作権についてどこまで教えるべきか
    • 学習活動全般を通して、まずは、引用・参照の際の「出典の明示」の習慣づけを
    • 生徒も学習活動の中で著作物を多数生み出している 「自己の権利の主張」と「他者の権利の尊重」の意識づけが重要
    • 共通テスト『情報Ⅰ』の対策であれば、相当な踏み込みが必要になるのでは
      (2022年11月公表の試作問題では、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについての出題があった)
  • Googleのサービス(Googleドキュメント)で原稿用紙設定はできないか
    • 結論からいうとできない Wordで原稿用紙のテンプレートを作ってインポートしても反映されない
    • 文字数計算だけなら、Googleドキュメントの設定で対応可([ツール]-[文字カウント]で設定)
    • 原稿用紙エディタで作成→PDFに出力→Google Classroomに提出 という方法もある
  • 英語科での簡単で効果的なタブレット活用法は?
    • 「4技能のどれを伸ばしたいか」で活用法が変わりそう
    • 一例として、「書く」「話す」(with 調べる)の場面での活用なら次のような指導が考えられる
      • ネットから、確度の高い情報を探索するトレーニングを行う
      • Google検索の「検索オプション」を使い、検索対象を絞り込む(例:オプション「site:go.jp」で政府機関の情報だけを検索するなど)
      • Wikipediaの記事は直接的な資料として引用・参照しない(文末の「出典」「外部リンク」などを参照する)

福井県の県立学校ではGoogle Workspace for Educationが導入されているので、仁愛女子短期大学でのGoogle活用事例もいくつか紹介。GAS(Google Apps Script)による教材準備の省力化などについて話をしました。

  • Googleスプレッドシート+GASによる席次表のランダム生成
    • 私が担当する科目では「多様性を認め合う」ことを掲げていて、その一環としてペアワークの相手を毎回組み替える取り組みを行っています
  • Googleフォーム+GASによる演習課題のGoogleドキュメント化
    • 演習課題をGoogleフォームで提出
    • 提出された課題を学生ごとのGoogleドキュメントとして自動生成
    • ペアを組んだ相手と共有し、相手のドキュメントに記入する形で相互評価

研修会終了後も、毎朝Googleフォームで取りまとめている生徒の健康観察の運用に関するディスカッションがあり、私からはフォーム・スプレッドシート・ClassroomをGASで統合して自動化するアイデアを提案しました。

10月に高等学校教諭一種免許状(情報、商業)を取得したとはいえ、高校での授業実践は教育実習で行ったきり。高校の教育現場で数多くの経験を積んでいらっしゃるかたがたの前での講義・実習はドキドキものでしたが、今後の活動に生かせる貴重な経験となりました。福井県立足羽高等学校の関係者のみなさまに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。