財団法人ふくい産業支援センターが毎月発行している情報誌の取材記事。2010年度の受注もこの号で最後となりました(新年度が5月号から始まるという契約になっています)。今年度最後の取材先は、巻頭特集『進む企業の農業ビジネス参入』関連事業所としてインスフィアファーム(福井県坂井市)と、『ふくいの逸品創造ファンド事業』を活用しているウエマツ(福井県福井市)の2社です。
インスフィアファームが手がけるのは、ミズナやコマツナなど葉菜の幼葉である「ベビーリーフ」の栽培・販売。国内では年間30~50億円の規模があるというこの市場に4年前から参入、約300の顧客に契約出荷を行っています。「大都市よりも地方のほうがいい食材が流通しづらい。良質の食材を手に入れたくても、1回あたりの購入量が少なければ納入業者は敬遠する。腕は一流なのに食材のまずさで二流という評価になっているレストランが地方には多い」。取材では、産地に近いはずのレストランが良質の食材に困っている現状を、代表取締役・松井伸吾さんが指摘しました。
もう一つの取材先・ウエマツは、福井県内で採取できる花や木から抽出した色素を染料に用いた「自然染めタオル」を手がける企業。越前海岸のスイセンや足羽山のアジサイ、西山公園のツツジなどを、色再現性や堅牢性(=洗濯しても色落ちしない性能)を克服した同社の『ハイブリッド染色』技術で製造・販売しています。商品ラインナップの中には、越前カニの甲羅を染料にした変わり種もありました。
CL:ふくい産業支援センター W:森川徹志(カウベル・コーポレーション)